ドライアイとはいわゆる乾き目のことで、涙の量の減少や、涙の質の低下により生じます。涙は油層・水層・ムチン層の3層構造になっており、バランスを保つことで涙の安定性を保っています。このバランスが崩れたり、3層のどこかに異常が起こると、涙の質が悪くなります。
●目が乾く ●目が疲れやすい ●ゴロゴロする・不快感がある ●物が霞んで見える・まぶしく感じる ●目ヤニが出る ●かゆみ ●充血・痛み ●意味もなく涙が出る
自覚症状にいくつか心当たりのある方はドライアイの可能性があります。
1.加齢
年齢を重ねると涙を生産する能力が低下します。また油分の分泌も減少し、涙が蒸発しやすくなります。
2.VDT作業
パソコン、スマートフォンなどモニターを見つめる作業を長時間行うと、まばたきの回数が減り、ドライアイの症状が起こりやすくなります。
3.乾燥した環境
冬の乾燥した時期や、エアコンが効いた室内にてドライアイを生じることがあります。送風が目に直接当たるところではさらに症状が悪化する恐れがあります。
4.コンタクトレンズ
コンタクトレンズの使用は目の乾燥に繋がります。特にソフトコンタクトレンズ装用者はレンズの形状を保つために涙を吸収します。その為含水量の高いレンズは症状をさらに悪化させる可能性があります。
ドライアイの診断は眼科にて涙の安定性を調べる検査や、涙の分泌量を測る検査を行います。治療は主に点眼療法になります。ドライアイの目薬は、目の水分を補う、水分を保持する、涙を安定させる、涙の生産量を増やすなど種類により効果が異なります。目薬で改善しない場合、涙の出口(涙点)に栓(涙点プラグ)をし、涙の生理的な排出を遮断するような治療法もあります。また重篤な場合には原因に対しての手術を選択することもあります。治療に加えて日常的にドライアイにならないように対策していただくことも大切です。
・エアコンの風に直接当たらないようにする。
・冬の乾燥する時期は加湿器を使用したり、部屋にぬれタオルを干す。
・VDT作業や読書などを行うときはまばたきを意識する。
このようなことを意識していただくこともドライアイの抑制になります。
ドライアイを伴うと、目の不快感だけでなく仕事に集中できないなど、日常生活にも支障をきたし、生活の質を低くしてしまうこともあります。ドライアイの症状には個人差がありますが、自覚症状に心当たりのある方は、眼科医にご相談ください。